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Rogue Engineer's Diary / やさぐれ日記

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2005-10-01

[NerdTV] Brewster Kahle: 復古運動としてのオープンソースとクリエイティブ・コモンズ

NerdTVの第四話はInternet Archiveの運営で知られるBrewster Kahle氏へのインタビュー。同氏はMITからThinking Machinesを経て、WAIS Inc.(Kahle氏はWAISプ ロトコルの設計者でもある)、その後にInternet Archiveを設立したという人物である。今回紹介するのはインタビューの44分40秒から始 まる一節、1976年に起きたアメリカの著作権法改正と、それが与えた影響について。

Bob: このNerdTVの配布は…最初GPLでやろうとしていたんですが…

Brewster: ええ。

Bob: Creative Commonsがちょうど登場してきたので、それを使うことにしたんです。でも普通の放送局に行って、これを無料で配布します、ちなみにコピーも改変も自 由ですと彼らに言うと…彼らは、私のことを頭が三つある化け物のような目で見るんですよ。

Brewster: そうでしょうね。でもCreative Commonsライセンスは素晴らしいものですよ。オープンソースソフトウェアの考え方を打ちたてたRichard Stallmanという巨人の肩の上に立つ存在です。

Bob: そうですね。

Brewster: 彼の考え方は完全に正しいと思います。我々の分野には偉大なヒーローが何人かいますが、Richard Stallmanはそのうちの一人です。

Bob: 人々の目に触れ、人々の耳に届くようにするには、こうしなければいけないのですよね。

Brewster: そうです。そしてこれは昔の姿への回帰であるとも言えます。人々はこれが革新的な新しいアイディアだと言いますが、実際には全然そんなことはないんです。 著作権法の内容というものはある時期を境にガラリと変わったのですが、それがいかに害をもたらしているかが認識されるようになったのはようやく最近になっ てからのことです。つまりですね、1976年の著作権法の改正で、突如すべてのものに著作権が発生するようになってしまいました。

Bob: はい。

Brewster: それ以前は、宣言をしない限り著作権は発生しなかったんです。自分の作ったものに小さく"c"の文字を入れて、アメリカ議会図書館に送らない限り、それは 著作物とならなかった。ということでほとんど全てのものが著作物になっていなかったわけです。

Bob: ええ。

Brewster: 実際のところ、私たちがRichard Stallmanなどと共にtechnical schoolで書いていたソフトウェアには作者の署名が入っていませんでした(注: 英文のトランスクリプトでは"they were signed"となっているが、音声では"they weren't signed"と聞こえる。文脈上も妥当と考えられることから、ここでは「署名が入っていませんでした」を採用する)。これはハッカー文化の一部でした。 私たちはテクノロジーを一緒に作り上げていたんです。利用制限などというものはありませんでした。そしたら著作権法が変わってしまったんです。そして MITは私たちの作ったものを取り上げてパッケージにして売ったんですよ。そして…

Bob: けしからんですね。

Brewster: まったくけしからんですよ。(笑い) 共有財産を売り渡す行為、共有財産の独占化でした。まったく常軌を逸している。それでRichard Stallmanはキレたんです。

Bob: ふむ。

Brewster: 彼は、こんなのは間違っていると言ったんです。全ては1976年の著作権法改正のせいです。それ以前はこんなことは起こりようがありませんでした。しかし その改正後、このようなことになってしまった。それで彼はオープンソースの運動を始めたんです。彼はかつて存在していたバランス、私たちがその中で育って きた、そのバランスを取り返そうとしたんです。

Bob: なるほど。

Brewster: ということで、オープンソースの考え方は - 実はかつての姿に戻る復古運動なんです。そしてCreative Commonsはその上に、柔軟性とゆとりという、アイディアを扱う上で社会が特に必要としているものを提供しようとしていると言えます。

Bob: MITが売ったものとは何だったのでしょう?

Brewster: 彼らはLisp Machine Systemのライセンスを二つの会社に売りました。SymbolicsとLisp Machines Incorporatedにライセンスしたのです。私たちが作ったマシンを取り上げ、そのソフトウェアを企業にライセンスするというのは、私たちの信頼を 大きく裏切る行為だと思いました。

Bob: そうですね。

Brewster: それに対してRichard Stallmanは「オレが目を離した隙にこんなことをやりやがって」と言ったわけです。

Bob: ふむ。

Brewster: そして彼は、自分たちが活動する上で必要となる絶妙な着地点を見つけ出し、使えるライセンスを作ったのです。以後、さまざまなバリエーションが登場するこ とになるわけですが。

Bob: ええ。

Brewster: しかし彼の出した基本的アイディアは非常に大きな一歩でした。

NerdTV #4: Brewster Kahle by Robert X. Cringely and PBS福 盛秀雄訳)

今回は全体を通してラディカルな内容の、面白いインタビューになっている。hirさんのところで、同インタビューの抜粋ムービー(Juicy Bit/Nerdy Bit)の訳が掲載されているのでこちらもぜひ参照願いたい。


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